Mead

ハチミツ酒(ミード)はどうやって日本に入ってきた?日本に輸入された最初のミード

日本でもよく親しまれているハチミツ。しかし、そのハチミツを使って作るお酒「ミード」についてはまだまだ認知度が低いと思われます。知る人ぞ知るミードですが、今回はそんなミードが発明されてから日本に入ってくるまでの歴史をご紹介します。

最古のお酒

ミードはワインと並んで世界でもっとも歴史の古いお酒といわれています。

最初に発見されたお酒はワインのような果物からできたモノと言われています。ブドウが潰れ、飛び出した果汁がブドウの皮に付着する酵母によって発酵されワインとなります。

一方、ミードはハチミツを水で薄め、そこに酵母を加え発酵させて作っています。ブドウもハチミツも糖分を含んでいるため、ビールのように麦芽などを使ってデンプンを糖化させる作業が必要ありません。このような発酵方法を「単発酵」といいます。

人類がまだ狩猟によって生活していた時、最初に飲まれたお酒はこのような単発酵のお酒でした。
よく飲まれるビールや日本酒のように麦、米を糖化させアルコール発酵する技術はそれぞれ「単行複発酵」「並行複発酵」と呼ばれています。これらの発酵方法は農耕文化が始まってから発見された比較的あたらしいものです。

ハチミツ酒はヨーロッパで生まれた

ヨーロッパで生まれたミード

日本では、果物やハチミツを原料とするお酒の伝統はありません。

これらのお酒は、ヨーロッパ文明が生み出したものです。そして現在でもミードはワインとともに、ヨーロッパでは常識的なお酒になっています。

ミードを飲んでいるとき、ワインを飲んでいるときのように高貴で優雅な気分になれるのはそのおかげかもしれません。

結婚式の酒として飲まれたミード

ジュリアス・シーザもミードを愛飲したと歴史家は記しているが,このミードはイギリスに渡って,いつか結婚式の酒となり,結婚式のあと,若夫婦は1か月間は必ずミードを飲む習慣がつくられ,ここから,ハネームーン(蜜月)の言葉が生まれた。

写真のコーニッシュ社のミードにも,ラベルの最上部にザ・ハネー・ムーン・ドリンク(蜜月の飲物)と記してある。イギリスでは現在,このミード製造のため,かなりの量の蜂蜜をオーストラリアから輸入している。

引用:ミード(蜂蜜酒)穂積 忠彦,日本釀造協會雜誌 59 巻 (1964) 10 号

上記の記述にもあるように、ミードは結婚式の酒としてヨーロッパで親しまれ、習慣的に飲まれていたようです。

ミツバチが花粉を媒介し花を受粉させるように、人間の男女を結びつける橋渡しのような役割として見られたのかもしれません。

ハネムーンの語源

ミードはハネムーンの語源にもなっています

古代から中世のヨーロッパで、新婚直後の新婦は住居から外出せずに1か月間、蜂蜜酒を作り、新郎に飲ませて子作りに励んだとされています。

またお祝いの宴会も一か月間行われたともいわれており、ここから「蜂蜜の1か月」=「蜜月」(honey moon)という言葉が生まれたとされています。

実際にハチミツには様々な健康効果があるといわれており、漢方薬の素材としても使われていました。かつてのヨーロッパ人も精力剤のような効果を期待してミードを飲んでいたのかもしれません。

ハネムーンに飲みたいおすすめのミードはこちらで紹介しています。

お酒の貿易自由化とミードの輸入

いよいよ日本にミードが入ってきます。時代は昭和35年ごろ、日本が第二次世界大戦から復興をはたし、高度経済成長期の最盛期でした。

人類の歴史の中で外の文化が入ってくるとき…それはいつも貿易が深く関わっていると言われています。

同年、日本政府はビール、ウイスキー、ぶどう酒とともにミードをふくむ酒類の輸入自由化を発表しました。

日本に輸入された最初のはちみつ酒(ミード)2種。

上の写真は、ミードの自由化のよって日本に輸入された最初のミード2種類です。酒類輸入商社旭興業によって輸入されました。

ともにイングランドの最南端、コーンウォール半島にあるミードの生産が盛んなコーンウォール州のコーニッシュ・ミード・カムパニーというミードの製造会社のものです。

ラベルに印刷されたコーンウォール州の地図がなんともおしゃれ。当時の日本人もラベルの英語と外国の地図に異国情緒を感じたに違いありません。

両方とも純粋なミードではなく、ブランデーやグレープワインを混ぜ合わせて製造されています。

アルコール度数は左から16%と14%。現在流通しているミードは12%前後の度数なので、現在よりも高い度数であることが分かります。ブランデーなどを混ぜ合わせて度数を上げていたのは、当時の保存技術を加味してのことだと考えられます。

こうして日本にもとうとうミードが入ってきました。

現在は、まだ数は少ないですが日本でも国産ミードが作られています。国産ハチミツのみを使った製品や、リンゴや菩提樹の花蜜を使った製品もあります。日本でワインが浸透したように、ミードが浸透するのも時間の問題かもしれません。

まとめ

今回はミードが日本に入ってくるまでの歴史をご紹介しました。貿易自由化によってビールやウイスキーとともに海外から入ってきたミード。しかしその認知度はビールやウイスキーにはまだまだ及びません。

しかし蜂蜜でできたそのお酒は、高貴で優雅な時間を演出してくれます。みなさんもヨーロッパの文化を舌の上で感じてみませんか?

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