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はちみつは加熱してもいい? 加熱すると失われる栄養素を解説

はちみつは加熱してしまうと酵素が壊れてしまうとも言われています。そのため、加熱しない非加熱はちみつ生はちみつを販売している養蜂場も多くあります。

今回は、はちみつを加熱することによって失活してしまう栄養素について解説します。

はちみつの成分

はちみつの主成分

実は、はちみつの主成分は糖分水分です。

含まれる糖分を細かく分類すると、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)に分かれ、はちみつの75%以上を占めています。

残りのうち水分が10~20%程度を占めており、残りはビタミンやミネラル、酵素などが様々含まれています。

はちみつに含まれるビタミン

ビタミンについてはビタミンB1、B2、ニコチン酸、パントテン酸、アセチルコリン、B6、ビタミンC、ビオチン、葉酸、ビタミンKが含まれていること確認されています。

はちみつに含まれるミネラル

ミネラル分についてはカリウム、ナトリウム、カルシウム、リン、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅、マンガンが含まれています。蕎麦花のはちみつは鉄分が多いなど、元となる花蜜によって成分量は異なります。

蕎麦はちみつの栄養素についてはこちらをご覧ください。

https://hachimitsushu.com/revalue/2020/12/29/sobahachimitsu-kouka/

はちみつに含まれる酵素

酵素についてはアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、αグルコシダーゼ、インベルターゼが含まれていることが確認されていますが、それ以外にも多くの酵素が含まれていると言われています。

はちみつは加熱してはいけない?

加熱することで減少する栄養素もある

はちみつには加熱することで減少してしまう可能性があるビタミンが含まれています。

代表的なものでは熱に弱いとされるビタミンCですが、ビタミンCは一般に言われているほど熱に弱いわけではなく、加熱中に溶け出すものが多くなっています。

しかしビタミンCは加熱に対し安定的ではないことも分かっており、その他には、ビタミンB1、パテント酸葉酸も熱に弱いと言われています

ビタミンCについては、はちみつにおいて加熱後の成分量が調べられており、はちみつを加熱することで減少することが分かっています。

また、脱色などの加工を加えてしまうとビタミンはほとんど残らないということなので、健康効果を期待する方は純粋はちみつを選んでください。

※純粋はちみつ…加工や精製の工程を加えていないはちみつ。加熱殺菌処理を加えたものも含む。
※加工はちみつ…水あめやショ糖を加えたはちみつ 
※精製はちみつ…ミネラルやビタミン、匂いや色などを取り除いたはちみつ

参考:蜂蜜の特性とその利用,日本釀造協會雜誌72巻4号 (越後,1977)

ミネラルは熱で壊れない

一般に、ミネラルについては加熱することで働きが失われることはないとされています。しかし、溶け出してしまうことで含有量が減少してしまうことはあります。

酵素は失活する

酵素については加熱することでその多くが失活してしまうため、その効果も失われてしまいます。

しかしその効果のすべてが失われてしまうとは言えません。

実験では1時間の加熱でも、アミラーゼが10%、αグルコシダーゼが6%残存するという結果になっています。実際にほとんどが失活してしまっていますが、残るものもあることには注意が必要です。

しかし抗菌作用に重要であるとされる、グルコースオキシダーゼグルコン酸、過酸化水素の働きが失われてしまうため、はちみつの抗菌作用もほとんど失われてしまうという研究結果が報告されています。

酵素を失活させないために、60℃以下で熱することをおすすめします。

参考
蜂蜜の品質に関する研究(第1報)加熱による品質変化,日本食品工業学会誌21巻5号(越後,竹中,市村,1974)
蜂蜜の品質に関する研究(第2報)加熱による品質変化,日本食品工業学会誌22巻4号(越後,竹中,江沢,1975)
   

栄養素は質も大事

はちみつにビタミンが含まれていることは、従来の研究では否定されていました。

しかし近年、ビタミン発見・測定技術が急速に発展し、はちみつにビタミンが含まれるということが明らかにされました。

はちみつに含まれる栄養素はどれも微量で、栄養として期待できるものではないとの意見もあります。

しかし、多くのビタミンが活性型であるため微量でも効果を発揮する可能性があり、人工的に添加したわけではない食物本来の栄養素であることから、その栄養効果や薬効は盛んに研究されています。

まとめ

今回は、はちみつを加熱することで失われてしまう栄養素についてご紹介しました。

はちみつに含まれる栄養素は微量ではありますが、古来から薬として使われていたと言われています。どの成分が身体の中でどのように働くかは研究でも明らかにされていない部分が多いので、可能ならば加熱せずに食べるのが良いと思われます。

しかし加熱して調理しても残る成分も多くあり、砂糖の代わりとして使うこともできるため加熱する料理にも使っていきたいです。また、加熱する際にもなるべく60℃以下にとどめたいです。

 

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