新型コロナウイルスの拡大で、マヌカハニーやプロポリス、ローヤルゼリーは健康効果の高い蜂蜜製品として注目を集めています。
プロポリス、ローヤルゼリーについての記事はこちらをご覧ください。
マヌカハニー、プロポリス、ローヤルゼリーなどの特別な蜂蜜製品は盛んにその効果の研究がされていますが、普通の蜂蜜にも健康効果があるのか…今回は詳しく解説していきます。
蜂蜜とは
蜂蜜とはミツバチが回収した花の蜜を巣の中で加工し貯蔵したものです。
約80％は糖分で構成されており、フルクトース（果糖）、グルコース（ブドウ糖）、マルトース（麦芽糖）などの糖分のほか、たんぱく質、各種アミノ酸、ミネラル、酵素など数多くの成分を含んでいます。
主に食用として扱われるほか、創傷治癒や美容、口腔ケア商品などさまざまな用途で用いられています。
また、蜂蜜は「単花蜜」と「百花蜜」に分類されることが多くあります。
単花蜜
単花蜜は、名前の通り一種類の花の蜜を元に作られた蜂蜜です。
元となる花の蜜の種類としては、みかん、蕎麦、れんげ、とち、くり、アカシアなど、日本国内だけでも600種類以上あると言われています。
マヌカの花の蜜から作られる「マヌカハニー」や「アカシアの単花蜜」がよく知られています。
マヌカハニーについてはこちらをご覧ください。
西洋ミツバチは、日本ミツバチとは違い一種類の花の蜜を集中的に集める性質があるため、広い面積に同じ種類の花が咲く時期に巣箱を置くことで、その花の単価蜜を採取することができます。
百花蜜
百花蜜は複数の種類の花の蜜を元に作られた蜂蜜です。百花蜜は、たくさんの種類の花が同時に咲き、その花の蜜が合わさった蜂蜜になります。
ジャングルのさまざまな花の蜜から作られる「ジャングルハニー」などが免疫を高めるとして有名です。
百花蜜の味や香り、色を決めるのは、ミツバチが集める花の種類によって変わり、その数は数え切れないほどあります。
蜂蜜は免疫力を高めるか
高い抗菌効果をもつ蜂蜜
蜂蜜は抗菌作用があることが知られており、その中でもマヌカハニー（Manuka honey）の抗菌作用は高いことが知られており、UMFやMGOなどの基準で抗菌効果が数値化されています。
また、マヌカハニーと並び、ジェリーブッシュハニー（Jelly bush honey）、野の花の蜂蜜（Pasture honey）も免疫力を高める効果があるとされています。
国産蜂蜜の研究
国産蜂蜜が免疫力に影響を及ぼすかどうかは以下の研究にて検証が試みられています。
田中 美子,高崎 摩依子,三輪 奈緒子,高橋 純一,竹内 実,日本国産蜂蜜による好中球の走化活性に及ぼす影響,京都産業大学先端科学技術研究所所報,第14号,2015-07
本研究は白血球の1種であり体内の免疫を担う好中球の働きに国産蜂蜜がどのような影響を与えるかの研究です。
この研究では、単花蜜7種（ソバ、クリ、シロハナマメ、ミカン、アカシア、トチ、フカ、レンゲ）と百花蜜1種の計8種類の国産蜂蜜をモルモットに投与して好中球の動きがどのように変わるかを検証しています。
実験の結果、ソバ、シロハナマメ、レンゲの単花蜜で好中球の方向性に有意な変化があり、ソバ、アカシア、レンゲの単花蜜で好中球の移動速度について有意な増強が認められたようです。
方向性と移動速度のどちらも強い増強が認められたレンゲ蜂蜜では反応30 分後に多くの好中球の移動が認められ、レンゲ蜂蜜は持続的に好中球に影響を及ぼすことが示唆されました。
この研究によって国産蜂蜜も免疫力に影響を及ぼす可能性が示唆されました。
蜂蜜の成分のどれが免疫に働きかけるのか
蜂蜜の成分のうち、どの成分が免疫力の増強に役立っているのかは、確かな答えが出ていないのが現状です。
さまざまな研究で多くの可能性が示唆されています。
まとめ
今回紹介した研究では国産蜂蜜が免疫力に影響を及ぼす可能性が示唆されました。
マヌカハニーやジャングルハニーといった海外で生産される蜂蜜の抗菌効果や免疫力増強効果が注目されがちではありますが、これから日本産の蜂蜜の研究も進み、海外でも注目される日が来るかもしれません。
蕎麦蜂蜜についてはこちらをご覧ください。
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